アキレス腱延長術のデメリットとは?!
アキレス腱の変形や痙性(=自分の意思とは関係なく、体が動いたり、引きつること)の治療として、アキレス腱延長術という手術を行うことがあるそうです。
確かに、この手術によって、変形や痙性が取れることがありますが、別の負の側面があることをご存じでしょうか?
手術を選択する前に、メリット・デメリットを考えることは非常に大切です。そもそもアキレス腱延長術とはどのようなものなのか、そのメリットとデメリットを見てみましょう。
<アキレス腱延長術とは?>
アキレス腱延長術とは、全身麻酔をし、アキレス腱を2か所、約1cmほど切り、そこからアキレス腱を伸ばす手術だそうです。
例えるならば、ピンと張ったゴム(=アキレス腱)をちょっとだけ切り、そのちょっと切ったことによりゴムは今までよりも少し伸びる(=延長する)という理論だそうです。
手術時間は約30分位で、術後3週間はギブス固定が必要になるようです。
この手術により、つま先下がりが治り、変形が矯正され、足・膝・股の関節の動きも良くなり、痙性も少なくなるというメリットがあるようです。
<アキレス腱延長術のデメリットとは?>
アキレス腱延長術は、アキレス腱を切り過ぎれば、延長は出来ても、アキレス腱が身体を支えるヒラメ筋を同時に緩めてしまい、体を支える力が弱くなってしまうそうです。
かといって、アキレス腱を切るのが少なすぎれば、あまり延長した本来の意味は無くなってしまう、というジレンマがあるようです。
また、全身麻酔や手術による合併症の心配や、体を支えるヒラメ筋の弱まりで足首が弱くなり、弛緩性麻痺のように足がぐらぐらになる可能性もあるそうです。
しかも、このアキレス腱延長術で一度力が弱くなった足は、筋力が回復する可能性は非常に少なく、以前は使う必要がなかった、体を支える装具を一生使わないと立てなくなる、という悲劇的な事態もあるようです。
アキレス腱延長術により、アキレス腱の変形や痙性が治ることは確かに素晴らしいメリットではありますが、上記デメリットも考慮の上、手術を選択するかどうかを考える必要がありそうですね。