アキレス腱断裂の保存療法とは?!
アキレス腱断裂の治療には、手術療法と温存療法の2種類があります。
手術が一概に悪いとは言えませんが、費用面や痛々しい傷痕が残ること、後遺症や合併症の発生リスクなどを考えると、ちょっと躊躇してしまいますよね。
又、今までは手術療法のほうが治癒までの期間が短く、再断裂率が低いとされてきましたが、医師の指導の下で早期に運動療法を開始することにより、その差はかなり縮まってきたようです。
それでは、アキレス腱の保存療法の具体的な方法を、見ていきましょう。
<アキレス腱断裂の保存療法とは?>
アキレス腱断裂の保存療法とは、手術をせずにギブス固定などを行い、自然に治癒を待つ治療法のことを言います。
具体的なアキレス腱断裂のオーソドックスな保存療法は、以下の通りです。
@つま先を伸ばし、底屈させた状態で、約6週間のギブス固定を行います。
Aアキレス腱の組織の回復状態を見ながら、踵(かかと)の高い装具を数週間装着します。期間はアキレス腱の断裂具合によりますので、一概には言えませんが、約4週間と言われています。
つまり、ギブスと装具を併せた固定期間は10週間くらいになるようです。
B装具を外した後は、テーピングで補強したり、踵への圧迫や衝撃を吸収するインソールを使いながら歩行訓練などのリハビリを徐々に行い、完治させていきます。
スポーツ復帰までは、およそ7〜9か月掛かり、手術よりは1〜2週間治療期間が長くなります。再断裂の可能性は20%未満ですが、医師の助言に従い、十分に注意が必要です。
<最近のアキレス腱断裂の保存療法とは?>
最近のアキレス腱断裂の保存療法では、シリンダー状にぐるぐると足に巻きつけるギブス固定ではなく、シャーレと言って、脛側(すねがわ)だけに添え木のように当てて固定する治療法もあるようです。
この取り外し可能なシャーレにして、最低3日に1度固定を外すことにより、アキレス腱の治癒が早まるようです。この状態を1か月続けながら2週間くらいは松葉杖を使いますが、それ以降は松葉杖を使わず、つま先歩行します。
断裂した靭帯と同じように、アキレス腱も早い段階で少しずつ平常に戻していくほうが、組織の修復は早くなるようです。この方法ですと、2、3週間でアキレス腱は繋がり始めるそうです。
その後はおよそ1か月でシャーレを外し、テーピングのみで足底にゴムの板を貼ったり、衝撃吸収用のインソールを使用しながら歩行訓練を行います。
足底のゴム板やインソールは、100円から1000円くらいで済みますので、装具代に数万円払うより経済的ですね。
また、このアキレス腱断裂の保存療法は2カ月の治療、保険料は3割負担で計算すると、治療費の自己負担は数千円だそうです。かなり経済的ですね♪
ただし、この治療法を行う医院は限られているようですので、インターネット等を使い、情報収集をしてから医師を訪ねましょう。