アキレス腱断裂は、剣道選手に多いの?
剣道は、アキレス腱断裂を発症する選手が多い競技と聞きますが、本当でしょうか?どういう場面で、どういう時期に断裂しやすいのか、調べてみました。
<剣道選手にアキレス腱断裂やアキレス腱障害が多いって、本当?>
剣道は「すり足」をしながら、様々な方向に移動し、攻撃する際は、後ろ足で床を蹴り、前足で前方に力強く踏み込む、という体の動きをします。
そのため、怪我が体の末梢部分に集中する為、アキレス腱断裂が他のスポーツ競技に比べて多いということは、本当のようです。
また剣道では、踏み込み時に、下腿三頭筋と言う筋肉が強く収縮するのと同時に、アキレス腱が急激に伸張され、その繰り返しがアキレス腱障害やアキレス腱断裂に繋がるとも言われています。
<剣道の稽古中に起こりやすい、
アキレス腱周辺の怪我とは?>
剣道の稽古中に起こりやすい、アキレス腱周辺の怪我は以下の通りです。(怪我の多い順に順位付けしてあります)
一位:足関節捻挫
二位:骨折
三位:アキレス腱の障害(アキレス腱断裂・アキレス腱再断裂・アキレス腱炎・
アキレス腱周囲炎・アキレス腱痛の順に多いそうです)
捻挫はよくありそうですが、剣道では骨折やアキレス腱断裂などの重傷な症例も多いので、注意が必要ですね!
また、アキレス腱断裂が起こりやすい足は、ほとんどの確率で左足(後ろ足)だそうです。後ろ足は要注意です!
<剣道でのアキレス腱断裂が起こりやすい時期とは?>
剣道でのアキレス腱断裂が起こりやすい時期は、2月から5月が7〜8割を占めているそうです。
4月は、学生が中学・高校・大学に入学して、新しい環境での稽古に慣れていない為、断裂が多くなるようです。
また、3月〜5月は、全国大会に向けた強化合宿や訓練などで、必然的に練習量が増える為、断裂が発生しやすいようです。
<剣道でのアキレス腱断裂は、突然起こるの?>
剣道の稽古中でのアキレス腱断裂は、調べてみると、なんの前触れもなく断裂した人は4割。残りの6割は、稽古前に何らかの症状を抱えた状態で稽古に参加していたようです。
よって、練習や試合前には、アキレス腱やその周辺に違和感がないかチェックを行い、何らかの症状がある方は、練習量を調整するなどの対応が必要と思われます。
無理をして練習や試合をしても、その後にアキレス腱断裂になれば、今まで積み上げてきた練習の成果を出すどころか、練習自体が出来なくなります。
練習をして、上達を望む気持ちはとても分かりますが、健康あっての剣道です。アキレス腱や周辺に違和感を感じたら、医師や指導者と相談し、適切な量の練習を行うようにしましょう。
<剣道でのアキレス腱やその周辺の怪我を防ぐには?>
剣道でのアキレス腱やその周辺の怪我を防ぐ為には、以下のことに注意しましょう。
1.剣道の稽古前や試合前には、有効なウォーミングアップ方法を行いましょう。
2.アキレス腱やその周辺に違和感を感じた場合や、痛みがある場合は、医師や指導者と相談の上、練習量を変更しましょう。
3.特に後ろ足には負荷が掛かり易く、アキレス腱断裂を引き起こしやすいので、剣道の稽古や試合の際は、出来るだけサポーターを着用しましょう。