ウサギ跳びはアキレス腱を鍛えることになりません!
アキレス腱を鍛える方法は、ストレッチやヨガ、マッサージなど、様々ありますが、間違った方法で逆にアキレス腱を傷つける可能性があるようです。
特に良く言われるのが「ウサギ跳び」。
昔は当たり前のようにアキレス腱を鍛える目的で取り入れられてきたウサギ跳びは、どうして禁止になったのでしょう?
<アキレス腱を鍛える、間違ったやり方
ウサギ跳びとは?>
ウサギ跳びは、ひざを深く曲げ、手を後ろに組み、しゃがんだ姿勢のまま、足首の曲げ伸ばしで跳躍を繰り返す運動です。
ぴょんぴょんウサギのように跳ねる姿から、ウサギ跳び、と言われています。往年の漫画「巨人の星」や、昔のスポーツ物には欠かさず出てきたウサギ跳び。
かつては、スポーツのスパルタ指導者が、動作に苦痛を伴うことと、根性論から好んで取り入れられてきました。
<アキレス腱を鍛える目的が、なぜ禁止になったの?>
アキレス腱を鍛える筈のウサギ跳びは、1980年代頃から、医学的見地を鑑み、体に与える有害性が指摘され、今は禁止となっています。
その理由は以下の2点に集約されるようです。
1.姿勢に無理がある
そもそも、人間の体は、股関節やひざ関節を曲げたままで飛び上がる姿勢を取る体勢に適しておらず、非常に不自然な体勢と言えます。
しかも脚を深く曲げた状態では、下半身の瞬発力を発揮することが出来ず、いたずらにアキレス腱を鍛えるどころか傷つける可能性が高くなります。
2.トレーニング効果が期待出来ない
いきなりの厳しい現実ですが、アキレス腱及びふくらはぎから下だけを重点的に鍛えるということは、今では古い考え方であり、全く意味がないことが分かってきました。
下半身を鍛えるという意味ならば、むしろ大腿や股関節の筋群を鍛えた方が、運動能力が上がりますし、有効だと考えられてます。
ウサギ跳びは、アキレス腱を鍛えるどころではなく、トレーニング効果もなく、むしろ筋肉や関節、アキレス腱を痛めるような、スポーツ障害を招く可能性が高いようです。
3.スポーツ障害をきたしやすい
アキレス腱を鍛える為に、ウサギ跳びを続けていると、腓骨疲労骨折、膝関節半月板損傷、膝蓋靭帯炎、オスグッドシュラッテル病などのスポーツ障害を招く可能性が高いようです。
また、膝を曲げた状態で負荷を掛ける事になりますので、半月板に大きなストレスとなり、最悪の場合、膝が動かなくなり、とても危険です。
4.目的が明確でないまま、体罰や精神鍛錬に用いられることが
多く、科学的トレーニングの有効性を阻害させる
日本体育協会では、かなり前からウサギ飛びは有害であり、特に成長期の子供は避けなければならないと、警鐘を鳴らしています。
特に発育期の小学生や中学生は、膝の下の骨の発育を阻害する恐れがあるため、ウサギ飛びを止めるように指導しているようです。
もしお子さんが「ウサギ飛びをやっているよ」などと言ったら、すぐに止めさせるようにしましょう。