アキレス腱が短い人とは?
突然ですが、和式トイレに入る際、両足裏を地面に着けて、しゃがむ姿勢を無理なく取ることが出来ますか?
実は日本人の15人に1人の割合で、両足裏を地面に着けてしゃがむことが出来ない、と言われています。結構な確率でしゃがむことが苦手な方がおられるのですね。
これはトイレが和式から洋式になったことや、そもそもしゃがむ動作を日常的にしないから、という理由と共に「アキレス腱が生まれつき短いから」とも言われています。
本当に、生まれつきアキレス腱が短いからしゃがめないのでしょうか?調査してみました。
<アキレス腱が短い、とは?>
そもそもアキレス腱が短い状態とは、歩く時にかかとを地面に着けられず、足先で歩くような姿勢になる人のことを言います。
これを尖足(せんそく)といい、原因は
@脳性小児まひや脳卒中からくる下腿後面の筋肉のけいれん
A脊髄性小児まひからくる下腿前面の筋肉のまひ
B病気で臥せている期間が長く、足に重みがあり、掛布団の圧迫があること
C片方の下肢が短い為、それを補おうとして尖足になる
などが挙げられます。軽症の場合はマッサージなどの矯正で治癒しますが、重症の場合は手術をしなければならなくなるようです。かなり大ごとなのですね!
<尖足ではなくアキレス腱が短い、とは?>
それでは、尖足ではなく、アキレス腱が短いということは、あるのでしょうか?
実は、両足裏を地面に着けられないのは、アキレス腱が短いからではなく、アキレス腱やふくらはぎ、足底筋が固まってしまっているから、だそうです。
アキレス腱はふくらはぎに繋がっている組織ですので、ふくらはぎが酷使されたり、冷えて血行が悪くなってしまうと、ふくらはぎが硬くなります。
ふくらはぎが硬くなると、アキレス腱も筋肉に引っ張られ、緊張した状態になるため、柔軟性が失われ、アキレス腱が短いと勘違いされるようです。
また、アキレス腱は足首から足底筋にも繋がっている為、足底筋を使わないでいると、やはりアキレス腱が足底筋に引っ張られ、柔軟性が失われ、アキレス腱が短いと勘違いされるようです。
そもそも、アキレス腱が短ければ、かかとが床に着きませんので、普通に歩ける方はアキレス腱が短いとは言えないことが分かります。
ふくらはぎや足底筋が固まり、アキレス腱が引っ張られ柔軟性を失い、そして足首も固くなり、両足裏が地面に着かなくなる。全ては繋がっているのですね。
<アキレス腱が短い、という訳ではない場合の、
対処方法とは?>
尖足で生まれつきアキレス腱が短い、という訳ではない場合は、まずはふくらはぎの緊張を取ることが先決です。
マッサージやストレッチなどでふくらはぎの緊張を取り、更に足底筋を鍛える為に両足裏を地面に着ける動作を日常的に行うようにしていきましょう。
最近は洋式トイレが主流になり、和式トイレのように両足裏を地面に着ける動作をすることが少なくなりましたが、意識的に和式トイレを選んだり、お風呂上りに足裏を床に付けてしゃがむ動作をすることも大切です。
ただ、無理に沢山この動作を行うと、アキレス腱断裂を招く恐れがありますので、毎日少しずつこの動作を取り入れるようにしていきましょう。