アキレス腱再断裂は手術が必要?
アキレス腱が断裂した後、手術か温存を選び、早く完治するよう願っていたにもかかわらず、再度断裂してしまうことって、結構あるらしいです。
どういう時に、アキレス腱の再断裂が起こってしまうのでしょう?そして、その時、手術したほうが良いのでしょうか?それとも温存のほうが良いのでしょうか?
<アキレス腱の再断裂って、どうして起こるの?>
アキレス腱の再断裂は、激しい運動を控えていれば起きない、と、勘違いしていませんか?実はこんなことで、簡単にアキレス腱が再断裂してしまうのです!
@段差を踏み外した
A雪で滑った
B雪かきで、つい踏ん張ってしまった
C油断して小走りで走ったら、再断裂してしまった
D床に置いてあった洋服を踏んで、滑ってしまった
E躓いて足を強く着いてしまった
Fお風呂で滑ってしまった
特にAとBは、最初の断裂の治療から、約3か月経ったというのに、断裂してしまったというデータがあります。本当に油断大敵ですね!
<アキレス腱の再断裂は手術しないほうがいいの?>
アキレス腱が断裂した時は、手術をしたほうが早く治るので、ついつい再断裂をした際も手術をしたほうが早く治るような気がしますよね。
確かにアキレス腱が再断裂した時、手術した場合は約4〜6週間、温存治療の場合は6〜8週間、ギブスや装具で固定する必要があり、手術の方が早く治るように見えます。
しかしながら、結局どちらも、上記再断裂の起きる原因で見たように、少なくとも3か月は再断裂(再々断裂?)の危険性もある為、用心しなければなりません。
そして驚くことに、3か月目頃は、手術も温存治療も、経過にあまり差がなくなるそうです。意外ですね!
しかも、手術の場合は、傷痕は残りますし、感染症の危険もあります。また、手術の傷口の痛みや引きつり、疲れやすさなどの後遺症が残る場合があるそうです。
また、最近ではプロに進んだり、社会人で活躍しているスポーツ選手でも、手術をせずに温存治療をするほうが、現役として長く続けられる確率が高いと、温存治療を選ぶ人が増えているそうです。
今迄は整形外科医の中でも、また、一般的にも「アキレス腱の再断裂はきちんと手術しないと治りが悪い外傷だ」と信じられてきましたが、実証データから、その考えは覆されつつあります。
医学は日進月歩しています。昔はこうだったから、という固定観念を捨て、治療を選ぶ際には、最新のデータや治療法を考えながら、選ぶ時代なのかもしれませんね。